“於市”の読み方と例文
読み方割合
おいち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
於市おいち、すまねえ。おらあ考えた。もう何もいわねえ……。火あぶりにでも、獄門にでもして、おめえも、存分、おれに恨みをはらしてくれ」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……なあ、於市おいち、おめえは、あんなに実意のある女を、かわいそうと思わねえのか。子どもなんざ、ままになれだが、ああまでじょうの深い女はめずらしい。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元服前の小童は、それを呼ぶのに、女子のように、名の頭字かしらじに「お」をつけて、市松を於市おいちとか、虎之助を略して於虎という風によぶのは、その頃のならわしだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)