平家建ひらやだて)” の例文
この寺の墓地と六間堀の裏河岸との間に、平家建ひらやだての長屋が秩序なく建てられていて、でこぼこした歩きにくい路地が縦横たてよこに通じていた。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
著者ちよしやはこのときかれ反問はんもんして、きみはこの町家ちようか平家建ひらやだておもつてゐるかといつてみたが、該學生がいがくせいつぶかた眞相しんそう了解りようかいしたのは、其状況そのじようきよう暫時ざんじ熟視じゆくししたのちのことであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
平家建ひらやだての家に二階座敷のあること
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
平家建ひらやだての小家が立並ぶ間を絶えず曲っているが、しかし燈火とうかは行くに従って次第に多く、家もまた二階建となり、表付おもてつきだけセメントづくりに見せかけた商店が増え
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
平家建ひらやだて小屋組こやぐみすなはけたはり屋根やねとの部分ぶぶん普通ふつう出來できてゐれば容易よういくづれるものではない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
この屋外おくがい避難ひなんすることの不利益ふりえき場合ばあひ次項じこう説明せつめいすることゝし、もし平家建ひらやだて家屋内かおくないあるひ二階建にかいだて三階建さんがいだてとう階下かいか居合ゐあはせた場合ばあひには屋外おくがいほうもつと安全あんぜんであることがある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)