ちやう)” の例文
睦子のおとうさんは、市バスの運転手でしたが、やはり出征中で、おかあさんは川向かふの罐詰工場で、ちやうけか何かをしてゐるのでした。
母子ホームの子供たち (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
夜のちやうにささめき尽きし星の今を下界げかいの人の鬢のほつれよ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
やあ 手ちやうの上の数字すうじまで見える
ちやうのあなたをとびすがふ
駱駝の瘤にまたがつて (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
ひくふして頼けるに三郎兵衞は碌々ろく/\耳にも入ず合力は一向なり申さず勿論もちろんむかしは借用致したれども夫は殘らず返濟したりすれば何も申分有べからずとの返答に四郎右衞門成程なるほど其金は受取たれども仕舞しまひの百兩は大晦日おほみそかの事にてちやうへは付ながら金は見え申さず不思議の事と思へども最早もはやそれむかしの事我等が厄落やくおとしと存じ思切てすましたり夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)