巧拙かうせつ)” の例文
なんとなれば、彼等の判断をくだすべきものはその書画の真贋しんがんである。或は真贋に関する範囲内での巧拙かうせつである。
鑑定 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、もうひとつは氣質きしつ相違そうゐによるものだらう。へると、支那人しなじん技法ぎはふ巧拙かうせつ別問題べつもんだいとして、可成かな自由じいうびと麻雀マージヤンあそたのしむからではあるまいか?
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
技術ぎじゆつ巧拙かうせつところでない、かゝげてもつ衆人しゆうじん展覽てんらんきようすべき製作せいさくとしては、いかに我慢強がまんづよ自分じぶん自分じぶんはういとはへなかつた。さなきだに志村しむら崇拜すうはい連中れんちゆうは、これを歡呼くわんこしてる。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
詩歌はその又微妙なものさへつかめば、或程度の巧拙かうせつなどは余り気がかりになるものではない。が、先生の短歌や発句はかうは即ち巧であるものの、不思議にも僕等に迫つて来ない。