寐姿ねすがた)” の例文
そばには可愛かあゆちご寐姿ねすがたみゆ。ひざの上には、「無情の君よ、我れを打捨て給ふか」と、殿の御声おこゑありあり聞えて、外面そともには良人をつともどらん、更けたる月に霜さむし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ときならずはや起出おきいでめされたが、るものは、ときならずはや息子むすこどのゝ寐姿ねすがたぢゃ。
そばには可愛かはゆちご寐姿ねすがたみゆ、ひざうへには無情むじやうきみれを打捨うちすたまふかと、殿との御聲おんこゑあり/\きこえて、外面そともには良人をつともどらんけたるつきしもさむし、たとへば良人をつといま此處こゝもどらせたまふとも
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)