威力ちから)” の例文
起き上れる罪人つみびとのさままた斯くの如くなりき、あゝ仇を報いんとてかくはげしく打懲す神の威力ちからはいかにきびしきかな 一一八—一二〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
水らしい水とも思わぬこの細流せせらぎ威力ちからを見よと、流れ廻り、めぐって、黒白あやめわかぬ真の闇夜やみよほしいまま蹂躪ふみにじる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
社会よのなかといふものゝ威力ちからを知つたこと、さては其著述にあらはれた思想かんがへの新しく思はれたことなぞを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
こはソアーヴェの第二の風によりて第三の風即ち最後の威力ちからを生みたるかの大いなるコスタンツァの光なり。 一一八—一二〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
酷烈はげしい、犯し難い社会よのなか威力ちからは、次第に、丑松の身に迫つて来るやうに思はれた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
我は悲しみの王土のうちなる諸〻のひとやをへてこゝに來れり、天の威力ちから我を動かしぬ、しかしてわれこれとともに行く 二二—二四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
想ひ出れば、我はこのためにこそ、いよ/\心をかたうしてへ、遂にわが目を無限かぎりなき威力ちからと合はすにいたれるなれ 七九—八一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝいと聖なる威力ちからよ、汝我をたすけ、我をしてわが腦裏にされたる祝福めぐみの國のうすれしかたあらはさしめなば 二二—二四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そも/\威力ちからはかゝるからだを造りてこれに熱と氷の苛責の苦しみを感ぜしむ、されどその爲す事の次第の我等に顯はるゝことを好まず 三一—三三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
義は尊きわが造りぬしを動かし、聖なる威力ちから比類たぐひなき智慧、第一の愛我を造れり 四—六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)