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妖婦
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ようふ
ふりがな文庫
“
妖婦
(
ようふ
)” の例文
どんな
妖婦
(
ようふ
)
でも、昔の毒婦伝に出て来るような恐ろしい女でも、自分を恨んで死んだ男の
遺書
(
かきおき
)
を、こうまで冷酷に評し去る勇気はないだろう。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
さまざまな男からお前はほんとの
妖婦
(
ようふ
)
だなどと言われて、自分の肉体はそんなにまで男に強い
刺撃
(
しげき
)
を与えるものかと、次第に自覚した後熟練を積み
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
鮑聶
(
ほうしょう
)
等の女仙は、もと古伝雑説より取り
来
(
きた
)
って彩色となすに過ぎず、
而
(
しこう
)
して月君は
即
(
すなわ
)
ち
山東蒲台
(
さんとうほだい
)
の
妖婦
(
ようふ
)
唐賽児
(
とうさいじ
)
なり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
驚きの表情はすぐ葉子の顔から消えて、
妖婦
(
ようふ
)
にのみ見る極端に肉的な
蠱惑
(
こわく
)
の微笑がそれに代わって浮かみ出した。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼女は「
妖婦
(
ようふ
)
」と名づけても見たいような、一見物凄い感じのする美人でしたから、「こんな女を征服したなら」という、妙な心を起してしまったんです。
遺伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
▼ もっと見る
娘はかわいそうだ、主あるものは罪だ……その時、七兵衛の頭に、むらむらと湧いて来た
面影
(
おもかげ
)
は、神尾主膳のところにいたお絹という
妖婦
(
ようふ
)
のことであります。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
徳川時代のお家騒動や、一国の治乱興廃の跡を尋ねると、必ず
蔭
(
かげ
)
に物凄い
妖婦
(
ようふ
)
の
手管
(
てくだ
)
がないことはない。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
新鮮な蜘蛛の巣のような
妖婦
(
ようふ
)
を私は好きであるが、そんな人には私はまだ会ったことがない。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
カバレット銀座の情婦、無智な
妖婦
(
ようふ
)
から電話がかかってくる。私は裸でお前の心に転落する。ニグロの海よりも鉛色の恋の貸家、お前馬鹿ほどたのもしいものは、この世にない。
恋の一杯売
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
妖婦
(
ようふ
)
気取りのお由は、国太郎にぴったり寄添いながら非常に嬉しそうであった。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
庸三もちらちら動きの多い小夜子の黒い
瞳
(
ひとみ
)
が、どうかすると冷たい光を放って、その瞬間昔の
妖婦
(
ようふ
)
を想像させるような美しさを見せることは知っていたが、それも、葉子などとはちがって
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
孔子が公宮から帰って来ると、子路が
露骨
(
ろこつ
)
に不愉快な顔をしていた。彼は、孔子が南子
風情
(
ふぜい
)
の要求などは
黙殺
(
もくさつ
)
することを望んでいたのである。まさか孔子が
妖婦
(
ようふ
)
にたぶらかされるとは思いはしない。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
彼女を早くも嫌って恐れて、逃れて来た自分にさえ、
尚
(
なお
)
執念深く、その
蜘蛛
(
くも
)
の糸を投げようとしている。恐ろしい
妖婦
(
ようふ
)
だ! 男性の血を吸う
吸血鬼
(
ヴァンパイア
)
だ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
彼女が東洋的魅惑と西洋的均整とを兼ね備えた
妖婦
(
ようふ
)
型であることで、一と昔前の
亜米利加
(
アメリカ
)
の映画女優にアンナ・メイ・ウォンと云う
仏蘭西
(
フランス
)
人と支那人の混血児がいたが
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ところが、残念にも、私はそれを、手もなく
捲
(
ま
)
き上げられてしまったのです。あの方は、
妖婦
(
ようふ
)
です。僕達には、とても
真面
(
まとも
)
に太刀打は出来ない人です。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
彼女のような
妖婦
(
ようふ
)
になると、内臓までも普通の女と違っているのじゃないか知らん、だから彼女の体内を通って、その
口腔
(
こうこう
)
に含まれた空気は、こんななまめかしい
匂
(
におい
)
がするのじゃないか知らん、と
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
妖
常用漢字
中学
部首:⼥
7画
婦
常用漢字
小5
部首:⼥
11画
“妖婦”で始まる語句
妖婦型
妖婦肌