おみな)” の例文
『マロオニイ、セニョレ。』(栗めせ、君)と呼ぶ声も勇ましき、後につきて入りしは、十二、三と見ゆるおみななりき。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
大殿おおとのより歌絵うたえとおぼしく書たる絵をこれ歌によみなしてたてまつれとおおせありければ、屋のつまにおみなをとこに逢ひたる前に梅花風に従ひて男の直衣のうしの上に散りかかりたるに
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
うつくしき人のさだめに黒き影まつはるものかかなしおみな
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
男、おみな穉子おさなご等を嘲み笑はんとす。
面造るおみなぞ一人
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
のごとき色の顔は燈火ともしびに映じて微紅うすくれないをさしたり。手足のかぼそくたおやかなるは、貧家のおみなに似ず。老媼おうなへやを出でしあとにて、少女おとめは少しなまりたる言葉にて言う。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
されどそは皆おみなには忌まれじ。
また優しき人の世のおみなに似て