女郎じょうろ)” の例文
私を棄てゝ心中するなんて、そんな奴なら了簡があります、愚図々々すれば女郎じょうろにでもたゝき売って金にして埋合うめあわせをするのだ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こんだあ、あんたを連れて行って上げうかあ。綺麗な女郎じょうろが可哀がってくれるぜえ」
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
女郎じょうろを買って銭が欲しい所から泥坊に成る者も有るからのう婆様ばあさま、と云われるたびに胸が痛くていっん出さないば宜かったと思ってなア
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
斬られるほど辛いけれども、姉さんの折角のお頼みと云い、お母さんの様子では女郎じょうろにも売り兼ねやアしまいから、死んだ心になって旦那を取りましょうよ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
昔からくるわ度々たび/\つぶれましては又再願さいがんをして又立ったと申しますが、其の頃贅沢な女郎じょうろがございまして、吉原の真似をして惣門内で八文字はちもんじで道中したなどと
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
富「あのね、私は此の三月のお節句から何うしてもお女郎じょうろに成ってお客を取るようになるのでございます」
朋輩女郎じょうろたちは年期で出るでなく身請ときいては羨ましいので、入り替り立かわり、花里の部屋へまいり名残を惜むもありますれば、喜びを申すもありまする。
婆「われのような可愛い子があっても子に構わず後妻のちぞいを持ちてえて、おすみの三回忌も経たねえうち、女房を持ったあから、汝よりは女郎じょうろの方が可愛いわ……いじめるか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
漸々よう/\此の位に仕上げたから、これから私が楽をしようと思ってるに、いやおうもあるものか、親の言葉を背く餓鬼ならば女郎じょうろにでも叩き売って仕舞います、いたふう
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
安「困りますね、眼が癒りませんよ女郎じょうろなんぞ引張ひっぱり出して来て、しかしお若いから無理はねえが」
わちきは本当に馬鹿に成ったの、能く素人は女郎じょうろはお客をだますなどゝ、私も素人の時分には云ったけれども、私ばかりはお客にだまされて、主人にも朋輩にも済まない義理になり
悉皆すっかり借金をけえし切って又三年でも五年でも稼がなけりゃア、百両の金を持って、娘の身請をに往く事が出来ねえ、あゝんでもんでも娘を女郎じょうろにするのだ、仕方がねえ
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
たった一人の娘を女郎じょうろに売りたくもねえし、世間へてえしても済まねえ訳だ、又本意でもねえから、んな事をたくもねえが、何うでもうでも此の暮が行立たねえから、お久
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
相談も出来ませんが、何うしてもわたくし女郎じょうろ買でもて使い込んだとしきゃア思われませんから、面目なくって旦那さまにあわす顔はございません、なに宜しゅうございますからお構いなく往らしって
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)