女連をんなれん)” の例文
しなに女連をんなれんのこれが問題もんだいになつた。ガラスをとほして、ふすまが松葉越まつばごしにそとからえよう。友禪いうぜんいたとりのやうだ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
午後ごゞいたりて、如何どう天候てんこう不良ふれうである。それで女連をんなれんだけきへへさうとした。
キヤバレエには伊太利イタリイ人の音楽や踊子のをどりがあり、又気取つた風をした即興詩人が二三人も居て当意即妙の新作を歌ふ。其れから客と美しい女連をんなれんとのダンス暁方あけがたまで続くのである。(五月二日)
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
女連をんなれん、滑らかな床几に坐つてまあよいことだ
と、芥川あくたがはさんがえいじて以来いらい、——東京府とうきやうふこゝろある女連をんなれんは、東北とうほく旅行りよかうする亭主ていしゆためおかゝのでんぶと、焼海苔やきのりと、梅干うめぼしと、氷砂糖こほりざたう調とゝのへることを、陰膳かげぜんとゝもにわすれないことつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)