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奪
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たく
ふりがな文庫
“
奪
(
たく
)” の例文
門を出る頃には、もう弟子の誰彼に追ひつかれて、
上
(
うは
)
つ
被
(
ぱり
)
は滅茶々々に
引
(
ひ
)
つ
奪
(
たく
)
られ、若者の手には片袖一つしか残つてゐなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
蔵元屋の残り金を欲しいだけ
奪
(
たく
)
り上げて、役目柄案内知った長崎あたりから、日本国の外へでも出る了簡で御座いましっろうか。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
憤
(
じ
)
れったいな。」新吉は優しい
舌鼓
(
したうち
)
をして、火箸を引っ
奪
(
たく
)
るように取ると、自分でフウフウ言いながら、火を起し始めた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
自分のは実にがさつに引っ
奪
(
たく
)
るが早いかぐっとかぶって
並居
(
なみい
)
る僧正大官を驚かしたことも、そして今、そのノウトルダムは巴里第一の名所として
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
と、
喚
(
おめ
)
きあわせて、槍を
引
(
ひ
)
っ
奪
(
たく
)
った大介は、それを持ち直して、相手の胸いたへ突き返した。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
之をも権田が引っ
奪
(
たく
)
って自分で拭いて遣った、全く此の男の恋は野蛮人の恋であると、余は此の様に思いながら熟々と秀子の顔を見たが、真に断腸の想いとは此の事であろう
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
その手紙をひっ
奪
(
たく
)
るようにして母親の
室
(
へや
)
へ入ると、夢中で戸をしめきって鍵をかけた。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
亥「やい同心、刃物や火道具じゃア有るめえし、
引
(
ひ
)
ッ
奪
(
たく
)
るには及ぶめえ、
何
(
なん
)
だと思う金じゃアねえか、さア
己
(
おれ
)
が検めて見せてやろう、此の通りだ、何も不都合はあるめえ、旦那、お
懐
(
ふところ
)
へ入れますよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
滝田氏はきよろ/\
四辺
(
あたり
)
を
睜
(
みまは
)
したが、手紙が目につくと、猿のやうに手を伸ばして、それを
引
(
ひ
)
つ
奪
(
たく
)
つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
天蔵は、引っ
奪
(
たく
)
るように、国吉の手から鉄砲も火縄も奪って、森の間に走りこんだ。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、刀を
引
(
ひ
)
っ
奪
(
たく
)
って
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奪
常用漢字
中学
部首:⼤
14画
“奪”を含む語句
奪取
掠奪
強奪
引奪
横奪
褫奪
奪回
奪還
剥奪
奪衣婆
奪掠
奪去
与奪
劫奪
簒奪
争奪
生殺与奪
簒奪者
物奪
纂奪
...