太田おおた)” の例文
これから大久手おおくて細久手ほそくてへ掛り、御嶽おんたけ伏水ふしみといふ処を通りまして、太田おおたの渡しを渡って、太田の宿の加納屋かのうやという木賃宿に泊ります。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
第一にまず四ツ谷永住町ながずみちょう太田おおた五斗兵衛ごとべえ、つづいては牛込の小林玄竜げんりゅう、それから下谷竹町の三ノ熊右衛門くまえもんと、たった三人しきゃいねえんだよ。
しますかな。そうなると、三浦さんも係り合いは抜けないのだから、まず序びらきに太田おおたの松茸のことを話してください
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
日暮里にっぽり諏訪神社すわじんじゃの境内や、太田おおたが原の真菰まこもの池のそばで、はかない逢瀬おうせを続けていたのでございます
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
久昌寺きゅうしょうじできのうあずけた馬を曳き出し、その背をかりて、日もまだ暮れぬうち、太田おおたの里までついた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
名田の大部分はむしろ関東にあって、その子孫は上州の太田おおたに住んで太田家となり、下野の小山おやまに住んで小山家となり、下総しもうさ結城ゆうきに行って結城家となったばかりでなく
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
猟師 (振りむいて)はい、美濃の加納かのうへ行くならこの道だ、下原しもばら金山かなやま太田おおたと出て行くさ。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
しょうちゃんはまだらないのよ。太田おおたさんのおうちにもちょうせんぶながいたけれど、おなかがすくと、共食ともぐいをはじめて、つよいちょうせんぶなが、ほかのよわいのをみんなべてしまったというのよ。
あいつは太田おおただからよくわかっているのだ。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
太田おおたはらそばです」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると、このうちにあった結城ゆうき太田おおた大夫判官たゆうのほうがん親光ちかみつは、なに思ったか
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はねがあるからとんでいったんだって、太田おおたさんがいっていたわ。」