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天葢
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てんがい
此の
形式的の
顏剃が
濟んでから
葢は
釘で
打ち
附けられた。
荒繩が十
文字に
掛けられた。
晒木綿の
残つた
半反でそれがぐる/\と
捲かれた。
桶には
更に
天葢が
載せられた。
天葢というても
兩端が
蕨のやうに
捲れた
狹い
松板を二
枚十
字に
合せたまでのものに
過ない
簡單なものである。
煤けた
壁には
此れも
古ぼけた
赤い
曼荼羅の
大幅が
飾のやうに
掛けられた。