墓標はかじるし)” の例文
手向たむけ候者一人も是なししか拙僧せつそう宗旨しうしの儀は親鸞上人しんらんしやうにんよりの申つたへにて無縁むえんに相成候つかへはめい日には自坊じばうより香花かうげ手向たむけ佛前ぶつぜんに於て回向ゑかう仕つり候なりと元より墓標はかじるしなき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「死んだら、めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片かけ墓標はかじるしに置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。またいに来ますから」
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其の内村の者も参り、観音寺の和尚様も来て、何しろすてては置かれないと早速此のよしを名主から代官へ訴え検死済の上、三人の死骸は観音堂のわきへ穴を掘って埋め、大きな墓標はかじるしを立てました。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
並び立つ古い墓標はかじるしも唯生き残るもののためにのみあるかのように見えた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
逼塞ひつそくした息はおなかの上へ墓標はかじるしをたてようとする。
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
跡を弔ふ墓標はかじるし
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
跡を弔ふ墓標はかじるし
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
跡を弔ふ墓標はかじるし
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
跡を弔ふ墓標はかじるし
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)