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塞翁
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さいおう
ふりがな文庫
“
塞翁
(
さいおう
)” の例文
ところが人間万事
塞翁
(
さいおう
)
の馬、
七転
(
ななころ
)
び
八起
(
やお
)
き、弱り目に
祟
(
たた
)
り目で、ついこの秘密が露見に及んでついに
御上
(
おかみ
)
の
御法度
(
ごはっと
)
を破ったと云うところで
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
時節が到来して多年な宿望が達せられたわけだ——しかも自分のと名のつく金でだ——まったく人間万事
塞翁
(
さいおう
)
が馬であると
え゛りと・え゛りたす
(新字新仮名)
/
辻潤
(著)
南部に襲われ蝶を逃がし、大川の中へ転がり落ち、負け
籤
(
くじ
)
ばっかり引いたかと思うと、今度は恋人の桔梗様と逢う。
塞翁
(
さいおう
)
が馬っていうやつさな
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
三味線堀
手枕舎里好
(
たまくらやりこう
)
の家で
残余
(
のこり
)
の小判を呑んでいる女を突きとめることができたとは、人間万事
塞翁
(
さいおう
)
が馬、何からいい
蔓
(
つる
)
をたぐり当てるか知れたものでない。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「人間万事
塞翁
(
さいおう
)
が馬」です。よいことがあったかと思うと、その
蔭
(
かげ
)
にはもう不幸が忍び寄っているのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
▼ もっと見る
「はッ、はッ、はッ、何が
幸
(
せえわ
)
いになるものだかわからねえ、また何が間違えになるものだかわからねえ、人間万事
塞翁
(
さいおう
)
が馬よ、馬には乗ってみろ、人には添ってみろだ」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「人間万事
塞翁
(
さいおう
)
の馬。元気を出して、再挙を
図
(
はか
)
るさ。人生七十年、いろいろさまざまの事がある。人情は
飜覆
(
ほんぷく
)
して洞庭湖の
波瀾
(
はらん
)
に似たり。」と
洒落
(
しゃれ
)
た事を言って立ち去る。
竹青
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
塞翁
(
さいおう
)
が馬とは、よくいったもので、なにが仕合せだったか、なかなかわからないものである。
黒い月の世界
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
支那の馬譚で最も名高きは、『淮南子』に出た人間万事かくの通りてふ
塞翁
(
さいおう
)
の馬物語であろう。これは支那特有と見えて、インドを初め諸他の国々に同似の譚あるを聞かぬ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
人間万事
塞翁
(
さいおう
)
が馬、——何が起るか見当もつかないところに人間の宿命があるのであろう。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
古来の
諺
(
ことわざ
)
にも「人間万事
塞翁
(
さいおう
)
が馬」とあるがごとく、天道は決して一人の者に幸福のみを与うることなく、また不幸のみを下すことなく、幸福の後には不幸あり、不幸の後には幸福ありて
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
人間万事は
塞翁
(
さいおう
)
の馬であります。この理を悟ってみれば、当分の受難時期は偶々我々並びに我々の子孫に貴い教訓を垂れるものとして、禍を福に転ずるの意気込が茲に湧いて来るのであります。
新憲法に関する演説草稿
(新字新仮名)
/
幣原喜重郎
(著)
けれど「
塞翁
(
さいおう
)
が馬を無くしても、災難と
極
(
き
)
まったものではない」
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
曰く「
塞翁
(
さいおう
)
が馬」、曰く「
盧生之夢
(
ろせいのゆめ
)
」、曰く「世短意常多」と。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
禍
(
わざわい
)
は福の
種
(
たね
)
、福は禍の種に候。人間万事
塞翁
(
さいおう
)
が馬に御坐候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
塞
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
翁
常用漢字
中学
部首:⽻
10画
“塞”で始まる語句
塞
塞外
塞北
塞耳維
塞下
塞側
塞内
塞切
塞止
塞源