器械的きかいてき)” の例文
夜、二畳の炬燵こたつに入って、架上かじょうの一冊をいたら、「多情多恨たじょうたこん」であった。器械的きかいてきページひるがえして居ると、ついつり込まれて読み入った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
座敷ざしきると、御米およねまゆせて、みぎ自分じぶんかたおさえながら、胸迄むねまで蒲團ふとんそとしてゐた。宗助そうすけほとんど器械的きかいてきに、おなところした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御米およね卒然そつぜんなにともれない恐怖きようふねんおそはれたごとくにがつたが、ほとんど器械的きかいてきに、戸棚とだなから夜具蒲團やぐふとんして、をつとどほとこはじめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)