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喧囂
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けんごう
ふりがな文庫
“
喧囂
(
けんごう
)” の例文
黒泡を立てて噛み合い
咆
(
ほ
)
え合い、轟々として奔騰しそれが耳も
聾
(
ろう
)
せんばかりの音と
相俟
(
あいま
)
って、
喧囂
(
けんごう
)
といっていいか、悲絶といっていいのか
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
その
喧囂
(
けんごう
)
の状の化石が見えるかと思われた。急激な進歩の暗い大きな
蜂
(
はち
)
の群れがおのれの巣の中で騒いでるのが、この防寨の上に聞こえるかと思われた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
開業試験が近くなると、父は気を
利
(
き
)
かして代診や書生に業を休ませ勉強の時間を与える。しかし父のいない時などには部屋に皆どもが集って
喧囂
(
けんごう
)
を極めている。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
従ってこの淫蕩極まりない私通史には、是非の論が
喧囂
(
けんごう
)
と湧き起らずにはいなかった。
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その時、見物人の
喧囂
(
けんごう
)
は絶頂に達して、
罵詈
(
ばり
)
、嘲笑、憤怒の言葉が場内に
漲
(
みなぎ
)
り溢れた。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
私はピカデリイやグラン・ブルヴァルの繁華な大通で、
倫敦
(
ロンドン
)
人や
巴里
(
パリイ
)
人の車馬と群衆とが少しの
喧囂
(
けんごう
)
も少しの衝突もせずに軽快な行進を続けて行くのを見て驚かずにいられなかった。
鏡心灯語 抄
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
戸外の
喧囂
(
けんごう
)
たる状態とは反対に、戸内では順序よく晩餐が終って、やがて舞踏会が開かれた。管絃楽の響は、さすがに風雨の音を圧迫して歓楽の空気が広いホールの隅から隅に漂った。
外務大臣の死
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
そしてここでも永い間、刻一刻と増してくる雑踏の中に、私はなおもその見知らぬ男の追跡を続けた。しかし、相変らず、彼はあちこちと歩き、終日その
喧囂
(
けんごう
)
の
巷
(
ちまた
)
から外へ出なかった。
群集の人
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
朝子が街の
喧囂
(
けんごう
)
の裡で群集の感情にふれ、自分の感情をも吟味し、こんな不如意をどうしてこんな元気でしのげるかという一般的なおどろきから、やがてその理解に入って行く塩梅とは
広場
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
昂
(
あが
)
ったとか、
降
(
さが
)
ったとか言って、売ったり買ったりする取引場の
喧囂
(
けんごう
)
——
浮沈
(
うきしずみ
)
する人々の変遷——
狂人
(
きちがい
)
のような眼——激しく
罵
(
ののし
)
る声——そういう混雑の中で、正太は毎日のように刺激を受けた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
やがて一切の
喧囂
(
けんごう
)
が拭うたように消え去ってしまいました。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ところで、
喧囂
(
けんごう
)
の最中に、ボシュエはふいにコンブフェールに何か言いかけて、次の日付でその言葉を結んだ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その
喧囂
(
けんごう
)
たるどよめきの中で、法水は、暗中の彩塵を追いながら黙考に沈みはじめた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それは
纔
(
わずか
)
に文字に表現するまでの不平不満であり、改革的意気であることを知るに至って、その志士的口吻の溢れた文字も、唯だ
日比谷
(
ひびや
)
の議院における
喧囂
(
けんごう
)
と一般の感を
惹
(
ひ
)
くに過ぎなくなります。
三面一体の生活へ
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
夥
(
おびただ
)
しい雨量が、天からざあざあと
直瀉
(
ちょくしゃ
)
する
喧囂
(
けんごう
)
の中に、何もかも打ち消されて、ふだん
賑
(
にぎ
)
やかな広小路の通りも大概雨戸を締め切り、二三人の
臀端折
(
しりはしょ
)
りの男が、敗走した兵士のように
駈
(
か
)
け出して行く。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この区はロンドンの
芸術家街
(
クワルチェ・ラタン
)
といわれ、都心を遠くはなれた
川沿散歩道
(
チェイン・ウォーク
)
のしずけさ。が、いま部屋のなかは
喧囂
(
けんごう
)
たる有様だ。「タイムス」「デリー・テレグラフ」をはじめ各国の特派員。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
喧
漢検準1級
部首:⼝
12画
囂
漢検1級
部首:⼝
21画
“喧囂”で始まる語句
喧囂雑沓
喧囂たる取引