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商買
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しようばい
あゝ
貴君のやうにもないお
力が
無理にも
商買して
居られるは
此力と
思し
召さぬか、
私に
酒氣が
離れたら
坐敷は三
昧堂のやうに
成りませう
私共の
商買の者は善くさう申しますが、女の惚れるには、
見惚に、
気惚に、
底惚と、かう
三様有つて、見惚と云ふと、
些と見たところで惚込んで了ふので、これは十五六の
赤襟盛に在る事で
何の
商買などがおありなさらう、そんなのでは
無いと
言ひながら
蒲團の
上に
乘せて
置きし
紙入れを
取あげて、お
相方の
高尾にこれをばお
預けなされまし
悲しいと
言へば
商買がらを
嫌ふかと一ト
口に
言はれて
仕舞、ゑゝ
何うなりとも
勝手になれ、
勝手になれ、
私には
以上考へたとて
私の
身の
行き
方は
分らぬなれば