商売しょうべえ)” の例文
旧字:商賣
とびの七五郎と申します。ジャンと来りゃ火の子の中へ飛び出すが商売しょうべえ、そのせいか人より少し耳が早うごぜえます」
這奴等こいつらア毎日毎晩、酒ばかりくらっているのが商売しょうべえだからね。お前様めえさまも用心しなせえ。こんな阿魔あまが蛇のように若旦那を狙っているんだから……。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
屋敷稼業というものア、泥坊のような商売しょうべえと見える、そんな人のくれたものア喰っても旨くねえ、手前てめえ喰うならみんな喰いねえ、己ア天麩羅でも買って喰うから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんぞ手に合うた商売しょうべえでもして、もっと呑気に世の中を送りてえと思うとるんじゃが、慣れぬ商売に手を出したら、どねえなことですってしまうかもわからんけえ。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
いい商売しょうべえだろう! みんなよく働いてくれるから俺も楽さ。なに? 有名な女優の名を使うのは非道ひでえじゃねえかって? 馬鹿言いなさんな。そっくり出鱈目だあね。
「これがおめえの言う七十万ポンドけえ? お前は商売しょうべえのうめえ人間じゃあなかったかね? お前は今までに何一つやり損ねたことのねえ男だと、この唐変木の間抜めが!」
床几しょうぎに上り「前髪を一本々々抜いてぬたにしてくつてしまふぞ、あ、曲つちまやがつた」と降りて「ざまあ見やがれ、なんのかんのと言ふものゝ、本手もとでいらずの廿両、いゝ商売しょうべえだなあ、これからお袋を ...
さむれえでも仮令たとえ百姓でも理合りええおいて二つはねえ、おらッちが商売しょうべえをするッて、えらア田地でんじイ持ってるものはねえから、世間並に売ればいに、法外ほうげいに廉く売るもんだから
だからよジョウジ、だから俺の商売しょうべえてえのは、まあ早く言えば案内者ガイドだが、この物欲しそうなつら外国げいごくの金持ちをあつめて、一晩そんなところを引っ張りまわしてやるんだ。
海だと! 分限紳士だと! 仕立屋が手前たちに相応の商売しょうべえだろうよ(註七七)
商売しょうべえが商売だからそろばんぐれえはもう身を入れて習いそうなものだのに、朝っちからいちんちじゅう目の色変えて夢中になっているものは、いったいだんな、なんだとおぼしめします?
作「先方せんぽうへ往って話をするんだがネ、元はさむれえだが食い方に困るから商売しょうべえをするッて、それを咎める理合りええは有ンめえと云う処を押して、此方こっちで兎やういえば殺されると云うんだ」
と言ったふうにね、いまおはなししたような商売しょうべえを始めれあ儲かること疑いなしでさあ。
わたくしもたいした事でもごぜえませんが、去年の暮の押詰りに寒さを引込ひっこみまして、少し疝気がおこって腰がりますので、商売しょうべえにも出られませんで引込んで居りますので、春はお忙しかろうと存じますが
市「商売しょうべえか商売は市四郎てえ筏乗でがんす」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)