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周章狼狽
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しゅうしょうろうばい
ふりがな文庫
“
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)” の例文
善良なる村の紳士淑女も、秀才も、
涎
(
よだれ
)
くりも、
木端微塵
(
こっぱみじん
)
でありました。
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
、右往左往に逃げ散ります、
蜘蛛
(
くも
)
の子を散らすが如く。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「何んなものだろうね? 実は今しがたこゝの奥さんから話を聞いて、
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
したところだ。丁度そこへ君がやって来たんだよ」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ところが、提督は思いの外、
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
しているのだった。彼は、後ろの壁に、ぴったりと体をつけ、恐怖の
眼
(
ま
)
なざしをもって、私を見据えた。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
掛りの男にこう
断
(
ことわ
)
ると、例の
氷包
(
こおりづゝみ
)
を額へあてながら、私は
遮二無二
(
しゃにむに
)
人ごみの流れに逆って、
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
して、悪魔に追わるゝ如く構外へ逃げ延びた。
恐怖
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
する二人をまず先きへ防空壕へ追いやって、この時義経少しも騒がず、翌朝の迎い酒にもと残し置きたる湯呑みの酒を咄嗟にぐっと呑みほした。
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
そして誰も今自分等がとった
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
のありさまを極り悪く思って笑い濁した。でも何だか急に空気が重苦しく感じて、みんな一時も早くこの家を去りたいと思った。
探偵小説アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
、いやもう乱痴気騒ぎであるが、その夕立も一時間とはつづかず、せいぜい二十分か三十分でカラリと晴れて、夕日が
赫
(
かっ
)
と照る、蝉がまた啼き出すという始末。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分が飛び出して出さえすれば、
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
して、
一溜
(
ひとたま
)
りもなく参ってしまうだろうと思っていた勝平は、当が外れた。彼は、相手が思いの外に、強いのでタジ/\となった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
が、明けて十三日——ベシイ・マンディにとってはたしかに十三の凶日だった——フレンチ医師は「
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
」して飛び込んで来たヘンリイ・ウイリアムズによって
愕
(
おどろ
)
かされた。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
右顧左眄
(
うこさべん
)
し、
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
した自分たちは、天地も
顛動
(
てんどう
)
する大きな変化に身をさらわれた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
城内の兵は
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
、ことごとくこの門から逃げあふれて来るであろう。その混乱を存分に討って、よしと見たらすぐ兵を引っ返せ。白河の
渡口
(
わたし
)
へきて関羽、張飛の手勢と合すればよい。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしこのできるはずのことがなかなか容易にできないのは多くの場合に群集が
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
するためであって、その
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
は
畢竟
(
ひっきょう
)
火災の
伝播
(
でんぱ
)
に関する科学的知識の欠乏から来るのであろう。
火事教育
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
歩き出していた
主従
(
しゅじゅう
)
が、一緒にちょっと振り返ったが、先に立つ老武士の顔を見た喜左衛門は、にわかに
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
して、いきなり女房と鍛冶富の手をぐっととると、声を忍ばせて続けざまに
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
臼井君大いに
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
してそれを追う。
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
前へ、前へと乗り出して行く米友の力——それはまことに怖るべきもので、さしもの道庵が
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
、為すべき
術
(
すべ
)
を知らず——
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
周
常用漢字
小4
部首:⼝
8画
章
常用漢字
小3
部首:⽴
11画
狼
漢検準1級
部首:⽝
10画
狽
漢検準1級
部首:⽝
10画
“周章”で始まる語句
周章
周章者
周章気味
周章氣味