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吹荒
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ふきすさ
ふりがな文庫
“
吹荒
(
ふきすさ
)” の例文
急に室内は暗くなって来た、風は急に
吹荒
(
ふきすさ
)
んで来た。ブラウンは
卓子
(
テーブル
)
に添うて蝋燭の束が他のゴミゴミした蒐集品の中に転がっているところへ来た。
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
吹荒
(
ふきすさ
)
ぶ風、
冷
(
ひ
)
いやりとした、しめっぽい雲、焼けつくような太陽、といったようなものが、交代でハーキュリーズを苦しめるのだから、たまりません! 彼は
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
戸叩く音は
後
(
のち
)
も
撓
(
たゆ
)
まず響きたりしが、直行の裏口より出でて
窺
(
うかが
)
ひける時は、風
吹荒
(
ふきすさ
)
ぶ
門
(
かど
)
の梅の
飛雪
(
ひせつ
)
の如く乱点して、燈火の
微
(
ほのか
)
に照す処その影は見えざるなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この途端、
青嵐
(
あおあらし
)
というには余りに凄かった。魔風と云おうか、悪風と去おうか、突如として黒姫おろしが
吹荒
(
ふきすさ
)
んだ。それに巻上げられた
砂塵
(
すなぼこり
)
に、行列の人々ことごとく押包まれた。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
それは、アバディーン地方特有の東北風が連日、雨と
雹
(
ひょう
)
とを伴って
吹荒
(
ふきすさ
)
む
沈鬱
(
ちんうつ
)
な八月であった。スティヴンスンの身体は例によって悪かった。或日エドモンド・ゴスが訪ねて来た。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
北も南も
吹荒
(
ふきすさ
)
んで、戸障子を
煽
(
あお
)
つ、柱を
揺
(
ゆす
)
ぶる、屋根を鳴らす、
物干棹
(
ものほしざお
)
を
刎飛
(
はねと
)
ばす——
荒磯
(
あらいそ
)
や、奥山家、都会離れた国々では、もっとも熊を射た、鯨を突いた、
祟
(
たた
)
りの吹雪に戸を
鎖
(
さ
)
して
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
魔風
遽
(
にわか
)
に
颯々
(
さつさつ
)
と
吹荒
(
ふきすさ
)
み、
瀑
(
たき
)
のごとくに
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
に
來
(
きた
)
りたる
頃
(
ころ
)
、
魔風
(
まふう
)
遽
(
にはか
)
に
颯々
(
さつ/\
)
と
吹荒
(
ふきすさ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
吹
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
“吹”で始まる語句
吹
吹聴
吹雪
吹上
吹出
吹聽
吹込
吹矢
吹掛
吹消