“ふきすさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
吹荒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この途端、青嵐あおあらしというには余りに凄かった。魔風と云おうか、悪風と去おうか、突如として黒姫おろしが吹荒ふきすさんだ。それに巻上げられた砂塵すなぼこりに、行列の人々ことごとく押包まれた。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
それは、アバディーン地方特有の東北風が連日、雨とひょうとを伴って吹荒ふきすさ沈鬱ちんうつな八月であった。スティヴンスンの身体は例によって悪かった。或日エドモンド・ゴスが訪ねて来た。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
北も南も吹荒ふきすさんで、戸障子をあおつ、柱をゆすぶる、屋根を鳴らす、物干棹ものほしざお刎飛はねとばす——荒磯あらいそや、奥山家、都会離れた国々では、もっとも熊を射た、鯨を突いた、たたりの吹雪に戸をして
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)