ふふ)” の例文
なお此時家持は、「ふふめりし花の初めに来しわれや散りなむ後に都へ行かむ」(同・四四三五)という歌をも作っているが、下の句はなかなかうまい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
額髪ぬかがみの幼な女童めわらは、そのごとく今も囲むに、早や老いてふふむものなし。子をなして幾人いくたりの親、死なしめてあとのこる妻、かしましと世にいふきはか、さて寄りて我にかくいふ。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここに水をば飮まさずして、御頸のたまを解かして、口にふふみてその玉盌につばれたまひき。ここにその璵、もひに著きて一〇、婢璵をえ離たず、かれ著きながらにして豐玉毘賣の命に進りき。
ひとり見る山ざくらばな胃をみてほろほろ苦き舌をふふめり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
あまつ日のめぐみに動きふふみたる君がおもわしいめに見えつも
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ふふめるつぼみに咲いての後の奇蹟を待たせられた時です。
なぎの葉にふる雨見ればしらしらとふふ馬酔木あしびも夜の目には見ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)