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否々
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いやいや
ふりがな文庫
“
否々
(
いやいや
)” の例文
否々
(
いやいや
)
をして、
頭
(
かぶり
)
をふって甘える肩を、先生が抱いて
退
(
の
)
けようとするなり、くるりとうしろ向きになって、前髪をひしと胸に当てました。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
否々
(
いやいや
)
、僕はそれを責めているんじゃない、
寧
(
むし
)
ろ妹さんの行方不明になった事が、僕のためには重大な役に立った事を感謝したいくらいなんだ」
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
千代子は笑いながら
否々
(
いやいや
)
をして見せた。僕はさらに姿勢を正しくして、受話器を彼女の手から奪おうとした。彼女はけっしてそれを離さなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或は今夜此筆を
擱
(
さしお
)
く迄には、何等か解決の
端
(
はし
)
を発見するに到るかも知れぬが、……
否々
(
いやいや
)
、それは望むべからざる事だ。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
霰
(
あられ
)
の音か。
否々
(
いやいや
)
。馬の
蹄
(
ひづめ
)
の音だ。何という高い蹄の音であろう。何という
疾
(
はや
)
い馬であろう。あれ、王宮の
周囲
(
まわり
)
を街伝いに、もう一度廻ってしまった。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
▼ もっと見る
生
(
うみ
)
の親の事は忘れたのであろうか。
否々
(
いやいや
)
万作夫婦の前では左もないが、
独
(
ひとり
)
居る時は、深く深く思案に沈むことがある。其時は直ぐ歌う。如何にも悲しそうに歌う。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
エキスパンダアをどけてやはり鑵の背後にないのをみると、
否々
(
いやいや
)
、ひょッとしたら、あの
道端
(
みちばた
)
の
草叢
(
くさむら
)
のかげかもしれないぞと、また
周章
(
あわて
)
て、駆けおりてゆくのでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
否々
(
いやいや
)
むしろ坊ちゃんなのである。色が白く血色がよい。栄養の行き渡っている証拠である。
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
否々
(
いやいや
)
、まだほっとするには早い。合戦は
正
(
まさ
)
にこれからだ」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はっしと床へ叩きつけた……か⁉
否々
(
いやいや
)
その時
後
(
おく
)
ればせに這いあがったメリケン壮太が、後から毛唐の首へ腕をまわして、
喉輪
(
のどわ
)
責めに締めあげた。
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
御払
(
おはらい
)
になるなら」と少し考えて、「六円に頂いておきましょう」と
否々
(
いやいや
)
そうに
価
(
ね
)
を付けた。御米には道具屋の付けた相場が至当のように思われた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
否々
(
いやいや
)
。彼等はもうとっくの昔に私のこうした決心を感付いている筈である。そうして私を第一番に片付けてから、第二第三の仕事にかかる予定にしていなければならぬ筈である。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
悪い
企
(
たく
)
みをしている証拠! 動きの取れない証拠でござんす! 何が不足、何が不満で聞くも恐ろしい謀反沙汰内通沙汰をなされたのか? ああ
否々
(
いやいや
)
それを聞いたとて今は仕方ござんせぬ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
否々
(
いやいや
)
、
大財産家
(
だいざいさんか
)
の細君でございます。」
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
否
常用漢字
小6
部首:⼝
7画
々
3画
“否”で始まる語句
否
否応
否定
否應
否認
否縁
否諾
否乎
否味
否唯