吉野山よしのやま)” の例文
いて何かの聯想を思い出させれば、やはり名所の雪を描いた古い錦絵か、然らずば、芝居の舞台で見る「吉野山よしのやま」か「水滸伝すいこでん」の如き場面であろう。
霊廟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは吉野山よしのやまは、だんだんそれを分け入って行くと、唐土もろこしに通じているという話のあるところから思いついた句であろう。謡曲の『国栖くず』にも次ぎのような文句がある。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
学校から伊勢参宮いせさんぐうをしたときふた晩、それから和太郎さんが若い衆であったころ、吉野山よしのやまへ村の若い者たちといっしょにいったときが五晩、そしてやはり若い衆であったころ
和太郎さんと牛 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
吉野山よしのやまは、ふるくからずいぶんながく、ぼうさんそのほか修道者しゆどうしやといつて佛教ぶつきよう修行しゆぎようをするひとこもつてゐたことは、あきらかな事實じじつでした。その經驗けいけんから、はじめのうた出來できたのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
吉野山よしのやまよ。その吉野山よしのやまさくらえだに、てゐると、ゆきがちら/\りかゝつてゐて、これでは、はながいつきさうにもおもはれない。今年ことしは、はなくことのおそくおもはれるとしよ、といふのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
吉野山よしのやまさくらえだゆきりて、はなおそげなるとしにもあるかな
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)