古銅こどう)” の例文
ひる前に隱居も古銅こどうの花瓶と、二幅對の箱と合乘でゆかれたあと入替いりかはりに、昨日花屋から來た松の枝小僧が取にくる
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
さてしかし骨董という音がどうして古物こぶつの義になるかというと、骨董は古銅こどう音転おんてんである、という説がある。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
……これから案内あんないしたがつて十二でふばかり書院しよゐんらしいところとほる、次は八でふのやうで正面しやうめんとこには探幽たんにゆう横物よこものかゝり、古銅こどう花瓶くわびんに花がしてあり、煎茶せんちや器械きかいから、莨盆たばこぼんから火鉢ひばちまで
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
縁側近くに置いた古銅こどうの手あぶりから盛に香の薫りが流れて來る。
新帰朝者日記 拾遺 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
みどりなる古銅こどう
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
金屏きんびょうの前に、紫檀したんの台に古銅こどうの筒の花器はないれ、早い夏菊の白が、みずみずしく青い葉に水をあげていた。深い軒に、若葉がさして、枝の間から空は澄んで見えた時節だった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
其のそばの欄間に石版画の額が掛けてありますが、葡萄ぶどう木鼠きねずみで何も面白い物がありません、何か有ったら褒めよう/\と思って床の間の前を見た処が古銅こどうの置物というわけでもなし
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
金二百円一円札○一金側時計一個たゞし金鎖附此代金二百円○一同一個但銀鎖附此代金百円○一掛時計二個此代金五十円○一衣類二十七品此代金五百円○一ぎょく置物一個此代金二百円○一古銅こどう花瓶一個此代金百五十円
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)