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南祖坊
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なんそばう
高信さんは、
南祖坊の
壇の
端に一
息して
向うむきに
煙草を
吸つた。
私は、
龍神に
謝しつゝも、
大白樺の
幹に
縋つて、
東が
恋しい、
東に
湖を
差覗いた。
それから
跣足になつて、
抱へられるやうにして
下つて、また、
老樹の
根、
大巌の
挟間を
左に五
段、
白樺の
巨木の
下に
南祖坊の
堂があつた。
右に三
段、
白樺の
巨木の
下に、一
龍神の
祠があつた。