半夜はんや)” の例文
宗助そうすけにはこの累々るゐ/\たるくろいものが、こと/″\娯樂ごらくせきて、面白おもしろ半夜はんやつぶこと出來でき餘裕よゆうのあるひとらしくおもはれた。かれかほてもうらやましかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そして燈火ともしびに向って、篠崎の塾から借りて来た本を読んでいるうちに、半夜はんや人定まったころ、燈火で尻をあぶられた徳利の口から、蓬々ほうほうとして蒸気が立ちのぼって来る。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
京都からこの地まで七十里余の道を、ざっと一日半夜はんやで来たことになる。飛脚としても、これは容易なはやさではない。おそらく途中飲まず食わず、夜も駈けとおして来たものにちがいない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
半夜はんや夜夢さめて呼ぶお艶の名。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この半夜はんや
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)