區々まち/\)” の例文
新字:区々
これをつながんとするにおほいなる旗竿はたざをたふさずしては如何いかんともなしがたし。これをたふさんは不祥ふしやうなりとて、あふいで評議ひやうぎ區々まち/\なり。沈光ちんくわうこれをわらつていはく、仔細しさいなしと。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のぞき見てなるほど/\辨慶の云通り文めが今日の身形みなりは何でも只事ではなしとうはさ區々まち/\なるに辨慶は少し鬱氣ふさぎし樣子にておら日來ひごろ仲間の事ゆゑ文右衞門とは心安くして度々たび/\酒も飮合のみあひしがんな身形みなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
平次は幾人かに同じことを訊きましたが、その答へは區々まち/\で、或人は十年と言ひ、或人は七、八年と言ひ、中には十二、三年といふのさへあつて、少なくとも六、七年よりは少なくない樣子です。
うかゞはんやと評議區々まち/\にて更に決着けつちやくせざりしにぞ山内伊賀亮すゝみ出て申樣はすぐに江戸表へ罷下まかりくだらん事先以て麁忽そこつに似て然べからず其仔細しさいは先年駿河大納言殿の御子息しそく長七郎君も先大坂へ御出の吉例きちれいあれば此先例にまかせ一先大坂へ出張ゆる/\關東くわんとう動靜やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)