勝沼かつぬま)” の例文
これにもはらわたはたゝるべきこゑあり、勝沼かつぬまよりの端書はがき一度とゞきて四日目にぞ七さと消印けしいんある封状ふうじやう二つ、一つはおぬひけてこれはながかりし、桂次けいじはかくて大藤村おほふじむらひとりぬ。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二時間ばかりたち、勝沼かつぬまから塩山えんざんあたりの山村が窓の外をユックリと走りすぎていきます。
歩くこと (新字新仮名) / 三好十郎(著)
勝沼かつぬままちとても東京こゝにての塲末ばすゑぞかし、甲府かうふ流石さすが大厦高樓たいかかうろう躑躅つつじさき城跡しろあとなどところのありとはへど、汽車きしや便たよりよきころにならばらず、ことさら馬車腕車ばしやくるまに一晝夜ちうやをゆられて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
勝沼かつぬまの町とても東京ここにての場末ぞかし、甲府はさすがに大厦たいか高楼、躑躅つつじさきの城跡など見るところのありとは言へど、汽車の便りよき頃にならば知らず、こと更の馬車腕車くるまに一昼夜をゆられて
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)