剃髮ていはつ)” の例文
新字:剃髪
剃髮ていはつして壽阿彌となり、幕府の連歌師の執筆にせられてから後までも、どうして水戸家との關係が繼續せられてゐたか。これはやゝ暗黒なる一問題である。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
人數にんずのそそくさに此女中このぢよちゆうと、ほかには御飯ごはんたきらしき肥大女ふとつちよおよび、其夜そのよりてよりくるまばせて二人ふたりほどきたりしひとあり、一人ひとり六十ろくじふちかかるべき人品じんぴんよき剃髮ていはつ老人らうじん
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひろひ上げ養育やういくして弟子となしける者なり天道遷化せんげの後は拙僧が弟子となして永年召使めしつかふ者なればいかにも不便ふびんには存ずれど大功は細瑾さいきんかへりみずと依てかれころし其後吉兵衞殿に剃髮ていはつさせおもざしの似たるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
直次は正虎を立ち會はせて、十太夫に剃髮ていはつして高野山に登ることを勸めた。十太夫は恐れ入つて領承した。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
とふらふこそ誠の安樂あんらく成んとて幡隨院ばんずゐゐんの弟子となり剃髮ていはつ染衣ぜんいに状を變名を自貞じていと改め淺草あさくさ今戸にいほりを結び再法庵さいほふあんと號し母諸共におこなひ濟し安く浮世をすごせしとかやいほりの壁に種々いろ/\和歌わかありけるが其中に
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)