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刃向
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はむか
ふりがな文庫
“
刃向
(
はむか
)” の例文
足柄
(
あしがら
)
の箱根の山の中には数え切れぬほどの
不逞
(
ふてい
)
の
賊
(
やから
)
どもが
蟠居
(
ばんきょ
)
しているのだそうだ。いつ我々に対して
刃向
(
はむか
)
って来るか分ったものではない。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「人がなんと申しましょうとも、兄はあなた様の
太刀先
(
たちさき
)
に
刃向
(
はむか
)
う腕はないと、このように申し切っておりまする」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
己の
此
(
こ
)
の傾向が、果して先天的の性癖に起因して居るなら、無理やりに其れを矯正しようとするのは、
恰
(
あたか
)
も自然の不可抗力に
刃向
(
はむか
)
うようなものではなかろうか。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そして、私にはあんな他人の心持はわからない、ヒステリックとでもいふべきか? 眼尻を釣りあげて、何としても臆病な私には
刃向
(
はむか
)
ふことの出来ない例の調子で
海棠の家
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
真に人格を以て克つのである。我を以て争う時にはどんなに弱いものでも
刃向
(
はむか
)
って来る。嘲笑や皮肉によっては何者も征服せられない。偉人は卑しい者の内にも人間を見る。
自己の肯定と否定と
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
殊
(
こと
)
に孝心深きに
愛
(
め
)
で、
不便
(
ふびん
)
なものと心得、いつか敵と
名告
(
なの
)
って汝に討たれたいと、さま/″\に心痛いたしたなれど、
苟
(
かりそ
)
めにも一旦主人とした者に
刃向
(
はむか
)
えば
主殺
(
しゅうごろ
)
しの罪は
遁
(
のが
)
れ難し
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……同時にその二人が揃いも揃って、
繊弱
(
かよわ
)
い女の手で
刃向
(
はむか
)
うべく、余りに恐ろしい相手である事を、知って知り抜きながらも必死と吾児を抱き締めつつ、
慄
(
ふる
)
え
戦
(
おのの
)
いていた筈である。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ハンスの父ヘルマン博士の研究による完全人造人間の部隊は、いずれそのうち、欧洲戦線のどこかに、必ず姿をあらわして、ドイツ軍に
刃向
(
はむか
)
う敵軍を、徹底的に圧迫するにちがいない。
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
むしろ、世界のきびしい悪意といったようなものへの、
遜
(
へりくだ
)
った
懼
(
おそ
)
れに近い。もはや先刻までの怒は運命的な
畏怖
(
いふ
)
感に圧倒されてしまった。今はこの男に
刃向
(
はむか
)
おうとする気力も失せたのである。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「私は、あなたに、
刃向
(
はむか
)
ふやうな振舞ひをしようとは思つてをりません。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
倒しても倒しても
刃向
(
はむか
)
ってくる敵でもあった
死の淵より
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
刃
常用漢字
中学
部首:⼑
3画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“刃”で始まる語句
刃
刃傷
刃物
刃金
刃傷沙汰
刃先
刃物三昧
刃渡
刃交
刃尖