出生しゆつしやう)” の例文
出立たちいでうかゞひ居たり此三人の中頭立かしらたちたる一人は甲州にて名高き惡漢わるもの韮崎にらさき出生しゆつしやうの雲切仁左衞門といふ者なり若年じやくねんころより心がうにして眞影流しんかげりう劔術けんじゆつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ブラ/\と面白おもしろき空想をつれにしてどて北頭きたがしら膝栗毛ひざくりげあゆませながら、見送みおくはててドヤ/\と帰る人々が大尉たいゐとしいくつならんの、何処いづこ出生しゆつしやうならんの、あるひ短艇ボートこと
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
その父の帳面に、僕が生れた時祝に貰つた品々を記した個所があるから一寸ちよつと書とどめておきたいと思ふ。明治十五壬午みづのえうま年三月廿七日出生しゆつしやう守谷もりや茂吉義豊。安産見舞受帳あんざんみまひうけちやう
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
るものなりやといはれしかば本郷三丁目徳兵衞だな住居ぢうきよなし日々雇ひ候者なれども心底しんていかくと存じ申さず越後邊の出生しゆつしやうの者と申立しにより大岡殿以後手懸てがゝりともならんかと樣子やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其方そのはう懷妊くわいにんの由我等血筋に相違是なしもし男子なんし出生しゆつしやうに於ては時節を以て呼出すべし女子たらば其方の勝手に致すべし後日證據の爲め我等われらに添大切に致し候短刀たんたう相添あひそへつかはし置者也依て如件
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)