トップ
>
凄然
>
せいぜん
ふりがな文庫
“
凄然
(
せいぜん
)” の例文
洞庭劉氏の詩を三誦してよりのちまた月余、或るゆふべ身に秋冷をおぼえて自ら秋衣をさぐるに事によりてわが思ひ
凄然
(
せいぜん
)
たるものあり。
我が一九二二年:02 我が一九二二年
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
つまり、ただモラルがない、ただ突き放す、ということだけで簡単にこの
凄然
(
せいぜん
)
たる静かな美しさが生れるものではないでしょう。
文学のふるさと
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
で其處らの物象が、荒涼といふよりは、索寞として、索寞といふよりは、
凄然
(
せいぜん
)
として、其處に一種人を
壓付
(
おしつ
)
けるやうな陰鬱な威力があツた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『三峯山誌』の記するところによれば、
御眷属
(
ごけんぞく
)
子を産まんとする時は、必ず
凄然
(
せいぜん
)
たる声を放って鳴く。心
直
(
す
)
ぐなる者のみこれを聴くことを得べし。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
雪之丞は、そう
凄然
(
せいぜん
)
たるこえで呼びかけると、深くうつむいて、しばし荒い息をしたが、サッと、振り上げた顔——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
さまざまな方向に走っている深い峡谷は、あたりの風景にいっそう
凄然
(
せいぜん
)
とした森厳の趣をそえているのであった。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
凄然
(
せいぜん
)
たる
月
(
つき
)
、
塀
(
へい
)
の
上
(
うへ
)
の
釘
(
くぎ
)
、
監獄
(
かんごく
)
、
骨燒場
(
ほねやきば
)
の
遠
(
とほ
)
い
焔
(
ほのほ
)
、アンドレイ、エヒミチは
有繋
(
さすが
)
に
薄氣味惡
(
うすきみわる
)
い
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれて、しよんぼりと
立
(
た
)
つてゐる。と
直後
(
すぐうしろ
)
に、
吐
(
ほつ
)
と
計
(
ばか
)
り
溜息
(
ためいき
)
の
聲
(
こゑ
)
がする。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と悟るに付けて斯様な草深い田舎に身柄と云い器量と云い
天晴
(
あっぱれ
)
立派な主人が埋められかかったのを思うと、
凄然
(
せいぜん
)
惻然
(
そくぜん
)
として家勝も悲壮の感に打たれない訳には行かなかったろう。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と一句
凄然
(
せいぜん
)
、お銀はひらりと身を
翻
(
ひるが
)
えし、帯の間へ手を入れると何かキラリと閃めいた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
客心何事ぞ
転
(
うた
)
た
凄然
(
せいぜん
)
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
凄然
(
せいぜん
)
たる
月
(
つき
)
、
塀
(
へい
)
の
上
(
うえ
)
の
釘
(
くぎ
)
、
監獄
(
かんごく
)
、
骨焼場
(
ほねやきば
)
の
遠
(
とお
)
い
焔
(
ほのお
)
、アンドレイ、エヒミチはさすがに
薄気味悪
(
うすきみわる
)
い
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれて、しょんぼりと
立
(
た
)
っている。と
直後
(
すぐうしろ
)
に、
吐
(
ほっ
)
とばかり
溜息
(
ためいき
)
の
声
(
こえ
)
がする。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さうしてそのなかには醜さといふよりも
寧
(
むし
)
ろ故もなく
凄然
(
せいぜん
)
たるものがあつた。この家の新らしい主人は、木の蔭に佇んで、この廃園の夏に見入つた。さて何かに
怯
(
おびや
)
かされてゐるのを感じた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「
妾
(
わたし
)
は恋を封じられております」それは
凄然
(
せいぜん
)
たる声であった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“凄然”の意味
《名詞》
寒いこと。涼しいこと。
物寂しく痛ましいこと。
(出典:Wiktionary)
凄
常用漢字
中学
部首:⼎
10画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“凄然”で始まる語句
凄然々々