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先
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さっき
ふりがな文庫
“
先
(
さっき
)” の例文
孰方を向いても人家の
灯
(
ひ
)
らしいものは一点も認められない。それに、
先
(
さっき
)
からもう一時間以上も歩いて居るのに人通りが全くない。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
先
(
さっき
)
の棚の上に、今度は鼠が二疋連れで、ちょろちょろと何か相談し合うような
恰好
(
かっこう
)
で歩いて来ました。
でたらめ経
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
「我慢は
先
(
さっき
)
から、もうだいぶしたよ。御願だから、もう少し湯か石鹸をつけとくれ」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何が故であるか、その
晩
(
おそ
)
い時刻は
先
(
さっき
)
のかの女をおそうた幻影の内にもう一度かの女を引き摺り込むのであった。かの女は
搾木
(
しめぎ
)
にかけられたように硬ばって、
頻
(
しき
)
りにその聴覚をかたむけはじめた。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「ええ、泣きましょう、泣きましょう。小母さんと一緒にならいくらだって泣きましょう。私だって
先
(
さっき
)
から泣きたいのを我慢していたんです」
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
と、袂から
先
(
さっき
)
の札を出したとたんに、彼は苦しい夢から覚めた如くはっと眼をしばだゝいて、見る/\顔を真赤にした。
小さな王国
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お前は
先
(
さっき
)
から僕の事を卑怯だ卑怯だと云ふけれど、僕は此の通り何も彼も隠さずにお前に打ち明けて居るんだぜ。
戯曲体小説 真夏の夜の恋
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
成る程そう云われて見れば、
先
(
さっき
)
は確かに動いて居たあの蛇が、今はじっととぐろを巻いて少しも姿勢を崩さない。
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「お前は
先
(
さっき
)
仙吉と一緒にあたしを縁台の代りにしたから、今度はお前が燭台の代りにおなり」
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「誰か此の辺に、
先
(
さっき
)
悪口
(
あっこう
)
を云った者はありませんか。云った人はどうぞ試して見て下さい。」
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「坊ちゃん、よくいらしって下さいました。もう
先
(
さっき
)
からお待ち兼ねでございますよ。さあ彼方へいらっしゃいまし。こう云う卑しい子供達の中でお遊びになってはいけません」
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
先
(
さっき
)
も云った通り、美感を味うのに前後の事情などを了解する必要は少しもないんだ。
金色の死
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
己が
先
(
さっき
)
、「酔わされる」と云ったのはつまり或る一定の現象を凝視する事に
依
(
よ
)
って、その底に
潜
(
ひそ
)
んで居る永遠の実在を豫覚し、自己の生命が宇宙の生命の中へ流れ込んで行くような
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
つい
先
(
さっき
)
まで私はたしかに此の三人の友人であつた、天下の学生達に羨ましがられる「一高」の秀才の一人であつた。しかし今では、少くとも私自身の気持に於いては既に三人の仲間ではない。
私
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「沼倉! お前だろう
先
(
さっき
)
からしゃべって居たのは? え? お前だろう?」
小さな王国
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
己は
先
(
さっき
)
、「恋いしい
彼
(
か
)
の
女
(
じょ
)
」と書いたが、正直を云うと己の彼の
女
(
おんな
)
に対する感情は普通の意味の恋愛でないかも知れない。それは恋愛と云うよりも、もっと
激
(
はげ
)
しい、もっと
神秘
(
しんぴ
)
な、
憧憬
(
どうけい
)
の
情
(
じょう
)
である。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「誰だ
先
(
さっき
)
からべちゃ/\としゃべって居るのは? 誰だ?」
小さな王国
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“先”を含む語句
先生
先方
先刻
先達
先日
最先
先頭
先駆
水先案内
真先
先祖
先立
先々
一先
爪先
先登
行先
先月
先驅
切先
...