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『私』
ふりがな文庫
『
私
(
わたくし
)
』
もう何年か前、私が一高の寄宿寮に居た当時の話。 或る晩のことである。その時分はいつも同室生が寝室に額を鳩めては、夜おそくまで蝋勉と称して蝋燭をつけて勉強する(その実駄弁を弄する)のが習慣になつて居たのだが、その晩も電燈が消えてしまつてから長 …
著者
谷崎潤一郎
初出
「改造 第三巻第三号」1921(大正10)年3月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約25分(500文字/分)
朗読目安時間
約41分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
強
(
ごう
)
先
(
さっき
)
詫
(
あやま
)
鳩
(
あつ
)
苛
(
さいな
)
孰方
(
どっち
)
原
(
もと
)
党
(
くみ
)
奈何
(
いかん
)
懐
(
ふところ
)
杳
(
よう
)
爪弾
(
つまはじ
)
疚
(
やま
)
茲
(
ここ
)
贏
(
か
)
靄
(
もや
)
僻
(
ひが
)