儀仗ぎじょう)” の例文
右は衝突儀仗ぎじょうの条をもって論じ、情を酌量しゃくりょうして五等を減じ、懲役五十日のところ、過誤につき贖罪金しょくざいきん三円七十五銭申し付くる。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
各王国居城に豪奢ごうしゃな官邸を構え、儀仗ぎじょう兵を付して威容を整え、各国王マハラージャの内政に容喙ようかいして、貢納金の取立て峻厳しゅんげんを極めている。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ゆえに、都をかの地へおうつしあるように望みます。——すでに、遷都せんと儀仗ぎじょう御車みくるまも万端、準備はととのっておりますから
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源氏の乗った車が来た時、明石の君はきまり悪さに恋しい人をのぞくことができなかった。河原かわらの左大臣の例で童形どうぎょう儀仗ぎじょうの人を源氏は賜わっているのである。
源氏物語:14 澪標 (新字新仮名) / 紫式部(著)
綴織ツルネーの下った長管喇叭トロムパの音が起って筒長太鼓ライディング・ティンパニイが打ち鳴らされ、静蹕せいひつを報ずる儀仗ぎじょう官の声が聴かれたなら、ちょうどそれが、十八世紀ヴュルッテムベルクかケルンテン辺りの
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
軍楽隊、儀仗ぎじょう兵。大警戒。写真班——非公式の旅行なのに、ベルリン停車場へ着いてみると、大変な騒ぎだから、アバス・ヌリ殿下は、どうして知れたんだろうと不思議に思っている。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
儀仗ぎじょうに用い」
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すでに儀仗ぎじょう旗手きしゅもできあがり、献納燈籠どうろうを入れた螺鈿らでんの塗り箱をかつぐ仕丁じちょうの役割もすべてきまる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして鳳輦ほうれん(みくるま)のすぐあとにつづく近衛このえ儀仗ぎじょうには、足利高氏、直義ただよしの兄弟があたり、さらに赤松円心の千余騎、土居得能とくのうの二千、結城ゆうき、長沼、塩冶勢えんやぜいなどの数千騎が
すでにご病中との触れなので、にせ大臣はおかごのまま中庭ちゅうていの客院までずッとそのまま通ってしまう。——勅使旗やら内府の官服、献納物の儀仗ぎじょう、だれひとりこれを疑って見るものはない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、儀仗ぎじょうをととのえ、きのうにまさる行装をこらして、朝霧のうすく流れている宮門へ向って進んでゆくと、一りゅうの白旗をかついで青いほうを着た道士が、ひょこり道を曲ってかくれた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天子の儀仗ぎじょうさえ、尚父の出入の耀かがやかしさには、見劣みおとりがされた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)