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偽物
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ぎぶつ
ふりがな文庫
“
偽物
(
ぎぶつ
)” の例文
旧字:
僞物
その時自分は「岡田君この
呉春
(
ごしゅん
)
は
偽物
(
ぎぶつ
)
だよ。それだからあの
親父
(
おやじ
)
が君にくれたんだ」と云って
調戯
(
からかい
)
半分岡田を怒らした事を覚えていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どうしておまえはそんなものを
持
(
も
)
っている。おまえがそんなものを
持
(
も
)
っているはずがない。きっと
偽物
(
ぎぶつ
)
だろう。どこから
拾
(
ひろ
)
ってきたか。」
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かういつた風で、いつも
偽物
(
ぎぶつ
)
に箱書をしたり、薄茶でも一服
饗応
(
ふるま
)
はれると、出先で直ぐ席画を
描
(
か
)
いたりするので、家族連の心配は一
通
(
とほり
)
でない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
旨
(
うま
)
く行ったところで、その恐怖を隠しているに過ぎない。僕は正直な話をするがね、一体これまで歴史に書いてある臨終の心理というものは
皆
(
みな
)
偽物
(
ぎぶつ
)
だ。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
「そうです。
偽物
(
ぎぶつ
)
です。何ヶ月かの間、法隆寺には巧みに出来た偽の玉虫厨子が安置してあったのです」
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
書にも
画
(
え
)
にも陶器や仏像にさえ
偽物
(
ぎぶつ
)
は世上に横行しているのだ。いわんや人間にあって不思議はない。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「彼は、第一に、閣下の
偽物
(
ぎぶつ
)
が、司令部に頑張っていることを知りました。これは、わたくしも、既に気がついていたことだったので、
成程
(
なるほど
)
と、信用が出来たのです」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その証拠には今の世の名画名筆と称せられて紳士の家に珍蔵せらるる者
殆
(
ほとん
)
ど
皆
(
み
)
な
偽物
(
ぎぶつ
)
ならざるはなし。十中の八、九と言いたいが専門の鑑定家に見せると百中の九十七、八まで
尽
(
ことごと
)
く偽物だ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
偽物
(
ぎぶつ
)
は黒胆に多し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「は、なにぶんどうも、
偽物
(
ぎぶつ
)
ばかり現われまして……いつどこで
紛
(
まぎ
)
れて、何者の手に入りましたやら、とんと行方知れずにあいなり、まことに遺憾至極ながら、手前、勘考いたしまするに、こけ猿なるものは、もはや世にないのではないかと……」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「君が正直で僕が
偽物
(
ぎぶつ
)
なのか。その偽物がまた偉くって正直者は馬鹿なのか。君はいつまたそんな哲学を発明したのかい」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
女の犠牲的精神が幾分か
偽物
(
ぎぶつ
)
らしく思われて、その忍耐の表情が白々しく思われたのである。そこで女がいっその事じれったがって来れば好いと思う。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
いいえ
偽物
(
ぎぶつ
)
でもなければ、
拾
(
ひろ
)
ってきたのでもありません。これはほんとうの
真珠
(
しんじゅ
)
や、さんごです。
私
(
わたし
)
を
疑
(
うたぐ
)
ってくださいますな。
早
(
はや
)
く
私
(
わたし
)
に
着物
(
きもの
)
を
売
(
う
)
ってください。お
爺
(
じい
)
さんは
船
(
ふね
)
に
待
(
ま
)
っています。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“偽物”の意味
《名詞:ぎぶつ》
にせもの。
《名詞:にせもの》
偽物(にせもの)
「にせもの」を参照。
(出典:Wiktionary)
偽
常用漢字
中学
部首:⼈
11画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“偽物”で始まる語句
偽物贋物