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佩刀
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はかせ
ふりがな文庫
“
佩刀
(
はかせ
)” の例文
また、修法の
間
(
ま
)
から、
脇廊下
(
わきろうか
)
を
此方
(
こなた
)
へ参らるゝ資治卿の方は、
佩刀
(
はかせ
)
を持つ
扈従
(
こしょう
)
もなしに、
唯
(
ただ
)
一人なのである。
御家風
(
ごかふう
)
か質素か知らない。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
かまわないのは、誰よりも、太閤であった、無造作に彼に
佩刀
(
はかせ
)
を預けることさえあった、多感なそして若い刑部は涙をこぼした事がある。
大谷刑部
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小姓は持っていた
佩刀
(
はかせ
)
を、
刀架
(
かたなかけ
)
にかけて去った。内膳はちょっと
躊
(
ため
)
らったが、しかしこれも
入側
(
いりがわ
)
へさがった。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
上樣の
佩刀
(
はかせ
)
、彦四郎貞宗とやら——東照宮樣
傳來
(
でんらい
)
の名刀だといふことでございました——その
研
(
とぎ
)
から拵への直しを、父がお引受してお預り申上げてゐるうちに
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうしてうしろのお小姓は、飾り仕立てのお
佩刀
(
はかせ
)
を、これまた恭しく捧持して神妙に畏まり、その物々しさ大仰さ、物におどろかない退屈男も、思わず目をそば立てました。
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
み
佩刀
(
はかせ
)
近く
猟奇歌
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
上様の
佩刀
(
はかせ
)
、彦四郎貞宗とやら——東照宮様伝来の名刀だということでございました——その研から拵えの直しを、父がお引受けしてお預り申上げているうちに
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
光圀は、離した手をうしろへ伸ばして、
佩刀
(
はかせ
)
を
把
(
と
)
った。それは
法城寺正弘
(
ほうじょうじまさひろ
)
の作という。抜くやいな
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それでわかった、もうなにも申すことはない、直孝のことはくれぐれもたのむぞ、心ばかりのひきでものだ、これをとらす」そう云って直政は
佩刀
(
はかせ
)
をとってさしだした。
青竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
將軍の
佩刀
(
はかせ
)
、——東照宮傳來といふ由緒のある品が、僞物と掏り替つた上、その爲に世上の口に上る騷ぎまで起しては、係の役人の面目が立たないことになるのです。
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あらぬ
疑惑
(
ぎわく
)
をもって当家の内秘を
覗
(
のぞ
)
かんとする天満の
痩
(
やせ
)
浪人、船出の別宴によい
肴
(
さかな
)
じゃ、重喜がみずから血祭りにしてくりょう!
女中
(
おんな
)
ども、誰かある!
佩刀
(
はかせ
)
を取れ」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一人は
佩刀
(
はかせ
)
を
捧
(
ささ
)
げていたが、他の二人のうち、永井民部という小姓頭は、ときどき身を
跼
(
かが
)
めて、光辰になにごとか注意をし、すると光辰は出かかっていた
欠伸
(
あくび
)
を半分でやめたり
若き日の摂津守
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
将軍の
佩刀
(
はかせ
)
、——東照宮伝来という由緒のある品が、偽物と
掬
(
す
)
り替った上、そのために世上の口に上る騒ぎまで起しては、係の役人の面目が立たないことになるのです。
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれど、その市松よりは、秀吉のかたわらに、
佩刀
(
はかせ
)
を持って、ちょこなんと坐っていた虎之助のほうが、いまの主人のことばを、じっと心から聞き入っていたふうであった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それ以上、
遮
(
さえぎ
)
れば、手にしていた
佩刀
(
はかせ
)
が、何者をも
真二
(
まっぷた
)
つにしかねない血相なのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小姓の虎之助と市松のふたりが、彼の
佩刀
(
はかせ
)
をささげて、
扉口
(
とぐち
)
のそとに
畏
(
かしこ
)
まっていた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
佩刀
(
はかせ
)
を持った
小姓
(
こしょう
)
は、彼の早い足の後から小走りに
従
(
つ
)
いて行った。
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
佩刀
(
はかせ
)
」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“佩刀”の意味
《名詞》
体に刀を身につけるすること。帯刀。
(出典:Wiktionary)
佩
漢検1級
部首:⼈
8画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
“佩刀”で始まる語句
佩刀者