云云うんぬん)” の例文
延陵えんりょう季子きし、その長子をほうむりて、『骨肉は上に帰復すさだめなり。魂気の若きは、すなわちかざるなし、かざるなし』とのたまいし、云云うんぬん
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
源平盛衰記げんぺいせいすゐき文覚発心もんがくほつしんくだりに、「はやきたつて女と共にし居たり、狭夜さよやうやう更け行きて云云うんぬん」と、ちやんと書いてある事である。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
当時の流言はたゞに正弘の病を云云うんぬんしたのみならず、又其死を云云した。わたくしは其一例として「嘉永明治年間録」の文を引く。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
また女子の高等教育を一般に是認させる必要から特に大学教育を云云うんぬんしますけれど、智力の充実は必ず大学教育に限った訳でもありませんから
婦人改造と高等教育 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
笑いの哲学とは、流石さすがに軽妙洒脱しゃだつなベルグソンの着想だ。こうでなくては哲学は意味をなさぬ。ここを忘れて人間性を云云うんぬんしたところで、——しかし、おかしい。
話が大変大きくなって来たようであるが、始めに束縛云云うんぬんと云い出した動機は、わしらのような境遇にはいると休日なるものがしきりに恋しくなるものであると云うことを云いたかったのである。
鹿山庵居 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
(『倶舎論くしゃろん』に曰く、「眼等の根に、転変あるによるがゆえに、諸識も転異す。根の増損に隨って識に明昧めいまいあるゆえに、云云うんぬん」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
わたくしの判断を以てすれば、人情の極至は水仙花云云うんぬんの語に在らずして此語に在る。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「広く智識を世界に求め云云うんぬん」と仰せられた維新の御誓文を拝したる以後の国民は、何よりも思想を重んずべきはずであるのに、今なおそのような蛮風ののこっているのは困ったものである。
婦人と思想 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
俊寛が乗るは云云うんぬんの文句は、当時大いに久米正雄を感心させたものである。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
域をこゆるをもってのゆえに、よく生死に堕し、よく涅槃に堕す。迷悟、凡聖これよりして起こり、生死、涅槃ゆえなくして分かる、云云うんぬん
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
しかるに国々の俗、これに迷いてわざわいとなること少なからず。雲伯二州は迷うことはなはだしく、わざわいとなること最も多し、云云うんぬん
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
その他、数人の同行者が一時におかされたるの例あり。結局は空腹に乗じて、人体内に一種強力の麻痺まひを与うる空気のためなるべし、云云うんぬん
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
何年の後に云云うんぬんのことが起こるということを言うと、必ずそういうことがある、すなわち時間を経過して合する、これを時間上の偶合という。
妖怪学一斑 (新字新仮名) / 井上円了(著)
これから「法性寺入道前関白太政大臣様」といおうの——「法性寺入道前関白云云うんぬん」と呼気を切らずに三遍くり返しいうときは、落つるなり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
そのときに食物を犬神の家に贈れば、取りつきたる犬神が離れて正気にかえる。この犬神を有する家とは、他人結婚を避け、交わりを結ばず、云云うんぬん
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
しかるに、四人の者の目には鵄とのみ見ゆればいいあらそうに、彼一人のみ、まさしく山伏なる者をといいて、さらに四人の言を聞き入れず、云云うんぬん
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
また、常州土浦町、五頭氏の報知によれば、「盆の裏へ狐狗狸の三字を指頭にて書き、それに風呂敷ようのものを掛け、これに燧火ひうちをいたす、云云うんぬん
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
まるめて一つずつその一束の竹の中に入れ、その入れたる方を下にし、これを机または畳の上に据え置くなり、云云うんぬん
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
臼、木鉢、皿等の重量のものをめぐらして、よくその足をあぐるは、大抵この天狗の来たるときに限る、云云うんぬん
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「むかし、この所にて首をはねられた囚人が、無縁仏となり得道解脱とくどうげだつができずして、地獄の中に泣き叫ぶ、その涙雨が降るものならん」とうわさし合う、云云うんぬん
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
春は花さき、秋は実り、あるいは青くあるいは赤く、かかる色を地中よりだれが染めわけしや、云云うんぬん
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
よって一同庭へ下り、月光をかりてここかしことさがし見るに、その形、橙実だいだいほどの焼け土の一塊が、大樹の根より三、四尺離れたる所に落ちてありしを見いだしたり、云云うんぬん
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
例えば、「一白の人の星は北方をつかさどり、三碧の人の星は東方をつかさどる、云云うんぬん
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
禍福は天の下すところとのみ心得、方位をなおざりにする者のために、この理をのぶることしかり。もっとも、知らず識らず凶方を犯し、ついに災害を受くる者ままあることなり、云云うんぬん
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
発し、死亡に及ぶ、云云うんぬん
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)