二宮尊徳にのみやそんとく)” の例文
しかしそれはまずそれとして何もそんなに心配せずとも或種類の芸術に至っては決して二宮尊徳にのみやそんとくの教と牴触ていしょくしないで済むものが許多いくらもある。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
二宮尊徳にのみやそんとくをうまつれる報徳神社はうとくじんじやまうづ。鳥居とりゐ階子はしごして輪飾わかざりをかくるさまなど、いたく神寂かんさびたり。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ななめに見た標札屋ひょうさつや露店ろてん天幕てんとの下に並んだ見本は徳川家康とくがわいえやす二宮尊徳にのみやそんとく渡辺崋山わたなべかざん近藤勇こんどういさみ近松門左衛門ちかまつもんざえもんなどの名を並べている。こう云う名前もいつのにか有り来りの名前に変ってしまう。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
みやは、報徳神社はうとくじんじやといふ、二宮尊徳にのみやそんとくをうまつれるもの、石段いしだん南北なんぼくかしこくも、宮樣みやさま御手植おんてうゑつゐさかき四邊あたりちりとゞめず、たかきあたりしづかとりこゑきかはす。やしろまうでて云々しか/″\
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)