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ふまじめ
ふりがな文庫
“
不真面目
(
ふまじめ
)” の例文
旧字:
不眞面目
どこか
不真面目
(
ふまじめ
)
なところのあることは処女の敏感さで見抜いていたので、頼みにならない、どっちかというと少しばかにしていたのだった。
五階の窓:04 合作の四
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
堕落々々と申して、
殆
(
ほとん
)
ど
歯
(
よわい
)
せぬばかりに申しておりますが、私達の恋はそんなに
不真面目
(
ふまじめ
)
なもので御座いましょうか。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
葉子はそこで倫理的に一人の妻帯男が一人のマダムに対する
不真面目
(
ふまじめ
)
な態度を批判して不愉快になったのでは無い。
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
其
(
その
)
あまりに、
狡黠
(
ずる
)
くつて、
不真面目
(
ふまじめ
)
で、大抵は
虚偽
(
きよぎ
)
を含んでゐるのを知つてゐるから、遂に熱誠な勢力を以てそれを遂行する気になれなかつたのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ケリッヒ夫人は心を動かされた。社交界の人々にありがちな誇張した賛辞で、感動した
由
(
よし
)
を述べた。それでも彼女は、
不真面目
(
ふまじめ
)
に言ってるのではなかった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
ともかく、
不真面目
(
ふまじめ
)
になっていく。真剣味がなくなっていく。それは争われぬ事実である。これにはいろいろの事情もあろう。社会的、経済的関係もあろう。
伝不習乎
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「私はお断りいたします。化物探検などというそんな架空な、そして
不真面目
(
ふまじめ
)
なことをやるのはいやです」
太平洋魔城
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
妾宅といふやうな
不真面目
(
ふまじめ
)
極
(
きはま
)
る問題をば、全然其れとは調和しない形式の漢文を以て、仔細らしく論じ出して、更に戯作者風の頓智滑稽の才を
振
(
ふる
)
つて人を笑はす。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ハムレット! 君は、馬鹿だ! 大馬鹿だ! ふざけるのも、いい加減にし
給
(
たま
)
え。戦争は冗談や遊戯ではないのだ。このデンマークで、いま
不真面目
(
ふまじめ
)
なのは君だけだ。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
徳川末期の文芸は
不真面目
(
ふまじめ
)
であると言はれてゐる。
成程
(
なるほど
)
不真面目ではあるかも知れない。しかしそれ等の文芸の作者は果して人生を知らなかつたかどうか、それは僕には疑問である。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「今だから白状しますが、岸本君の詩集では随分僕も罪をつくりましたねえ。考えて見ると僕も
不真面目
(
ふまじめ
)
でしたよ。君の詩をダシに使って、どれ程若い女を迷わしたか知れませんよ」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
世相を写すのが小説であるなら、女の弱点をも美所をも公平に取扱って戴いて、故意に弱点ばかりを見るというような
不真面目
(
ふまじめ
)
な態度、態度というよりは作者の
人格
(
ひとがら
)
を改めて戴きたい。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
この男の表情、言語、挙動は人にこういう
詞
(
ことば
)
を催促していると云っても好い。役所でも先代の課長は
不真面目
(
ふまじめ
)
な男だと云って、ひどく嫌った。文壇では批評家が真剣でないと云って、けなしている。
あそび
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
あんたの理想いうもんも
甚
(
はなは
)
だ
不真面目
(
ふまじめ
)
に思えますね
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
不真面目
(
ふまじめ
)
という疑念を塗り
潰
(
つぶ
)
すために、向うの不真面目さを啓発しておかなくてはいけないという心持に制せられるので、黙ってしまう訳に行かなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして叔母が残してくれた深い専心的な生活の大きな実例は、彼女をしてますます、
不真面目
(
ふまじめ
)
な虚偽な社交的生活を
厭
(
いや
)
にならした。彼女にはその偽善的な点ばかりが眼についた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼は危険区域へ踏み込まない用心をして、わざと話を
不真面目
(
ふまじめ
)
な方角へ流してしまった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
頃
(
ころ
)
の私はまだ
癇癪
(
かんしゃく
)
持
(
も
)
ちでしたから、そう
不真面目
(
ふまじめ
)
に若い女から取り扱われると腹が立ちました。ところがそこに気の付くのは、同じ食卓に着いているもののうちで奥さん一人だったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“不真面目”の意味
《名詞》
真面目でないこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“不真”で始まる語句
不真
不真実