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下肥
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しもごえ
ふりがな文庫
“
下肥
(
しもごえ
)” の例文
数世紀にわたって日本人は、
下肥
(
しもごえ
)
を畑や水田に利用する国で、水を飲むことが如何に危険であるかを、理解し来ったのである。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
その上より
下肥
(
しもごえ
)
を撒きかけて土を覆ひまはるに、その臭き事限りなく、その仕事の手間取る事、
何時
(
いつ
)
果つべしとも思はれず。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「せめては
下肥
(
しもごえ
)
位はたまるだらう」と校長先生が考へたにも
拘
(
かか
)
はらず、校長先生の作男が下肥を汲みに行く朝は、其処は何時もからつぽだつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
しかも、数日の後には、次郎は、
下肥
(
しもごえ
)
を汲んでいた直吉の
頓狂
(
とんきょう
)
な叫び声で、大まごつきをしなければならなかった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
葛西
(
かさい
)
の
肥料屋
(
こやしや
)
では、
肥桶
(
こえおけ
)
にぐっと
腕
(
うで
)
を突込み、べたりと糞のつくとつかぬで
下肥
(
しもごえ
)
の
濃薄
(
こいうすい
)
従って良否を験するそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
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しかし市場にあるものでは、
下肥
(
しもごえ
)
を使ったかもしれないという心配が大いにある。それで庭の一部に小さい畑をつくって、そこで妻がレタスをつくることになった。
サラダの謎
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
また野菜を買いに
八幡
(
やわた
)
から
鬼越
(
おにごえ
)
中山
(
なかやま
)
の辺まで出かけてゆく。それはいずこも松の並木の聳えている砂道で、
下肥
(
しもごえ
)
を運ぶ農家の車に行き逢う
外
(
ほか
)
、殆ど人に出会うことはない。
葛飾土産
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何処
(
どこ
)
の原野の
開墾
(
かいこん
)
を引受けてソレで幾らかの運上を納めようと
云
(
い
)
う者もあり、又
或
(
あ
)
る時江戸市中の
下肥
(
しもごえ
)
を一手に任せてその利益を政府に
占
(
し
)
めようではないかと云う説が
起
(
おこっ
)
た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
例えば
下肥
(
しもごえ
)
の如きも、これを相当科学化して乾燥した固形物とするか、或は粉未として、感じにも取扱いにも効能にも相当の増進率を持たせる、それから
蒔物
(
まきもの
)
の調節、麦を蒔いたあとへ陸稲とか
百姓弥之助の話:01 第一冊 植民地の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
下肥
(
しもごえ
)
をきたないという点にまで感覚が進んでは、続けにくい労働でありまた消費でもあったが、これに基づいていわゆる生活の飢餓点は測定せられ、その境目の所に生活を支えしめる限度において
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
官主をしてをりますので
下肥
(
しもごえ
)
だけはいらはない事にしてをります。
大島行
(旧字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
下肥
(
しもごえ
)
の舟曳くならし夜の明けて野川の氷こゑたつるなり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
余の
字
(
あざ
)
には、二三年来二十七戸の内で馬を飼う家が三軒出来た。内二軒は男の子が不足なので、東京からの
下肥
(
しもごえ
)
ひきに馬を飼う事を思い立ったのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
下肥
(
しもごえ
)
の舟曳く子らがうしろでも
朝間
(
あさま
)
はすずし白蓮の花
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日なたぼこりで孫いじりにも飽いた爺の仕事は、
啣
(
くわ
)
え
煙管
(
ぎせる
)
の
背手
(
うしろで
)
で、ヒョイ/\と野らの
麦踏
(
むぎふみ
)
。若い者の仕事は東京行の
下肥
(
しもごえ
)
取
(
と
)
りだ。寒中の下肥には、
蛆
(
うじ
)
が
涌
(
わ
)
かぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
肥
常用漢字
小5
部首:⾁
8画
“下肥”で始まる語句
下肥汲