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三岐
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みつまた
写真班の
英雄は、
乃ちこの
三岐で一
度自動車を
飛下りて、
林間の
蝶に
逍遥する
博士を
迎ふるために、
馳せて
後戻りをした
処である。——
実は、この段、
囁き合って、ちょうどそこが
三岐の、一方は裏山へ上る
山岨の落葉の
径。一方は崖を下る石ころ坂の急なやつ。
三岐を
目の
下にして、
例の
間道らしいのを
抜けたと
思ふが、
横状に
無理な
崖をするりと
辷つて、
自動車の
屋根を
踏跨ぐか、とドシンと
下りた。
汗ひとつかいて
居ない。