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一睨
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ひとにら
ふりがな文庫
“
一睨
(
ひとにら
)” の例文
あの友兄いの奴でもいりゃ、思いきり眼にもの見せてやるんだが、なあに、あの辺のお安いところならば、このお角さんの
一睨
(
ひとにら
)
みでたくさんだ——
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
振返って、
一睨
(
ひとにら
)
み。
杜若
(
かきつばた
)
の色も、青い虫ほどに小さくなった、小高い道に、小川が
一条
(
ひとすじ
)
流れる。板の橋が
掛
(
かか
)
った石段の上に、
廻縁
(
まわりえん
)
のきれいなのが高く見えた。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一睨
(
ひとにら
)
みすれば、
鷲
(
わし
)
につかまれた、
小雀
(
こすずめ
)
ではないか? おどしに掛けさえすれば、どんな言葉でも、拙者のいうことなら、受け容れる外にあるまい——さもなくば、恋も、夢もそれまで
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ここが原本には
眼目
(
がんもく
)
の見せ場なるが、実に残酷の絶頂に達せるものにて、
一睨
(
ひとにら
)
みごとに手を
拍
(
う
)
つて喜ぶ見物すら下を向いて見ぬ位なれば、いくら出したくても出せなくなるは今の
間
(
ま
)
なり。
明治座評:(明治二十九年四月)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
小児
(
こども
)
が社殿に遊ぶ時、
摺違
(
すれちが
)
って通っても、じろりと
一睨
(
ひとにら
)
みをくれるばかり。威あって
容易
(
たやす
)
く口を利かぬ。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
言句
(
もんく
)
は言わないまでも、苦い顔をして、
髯
(
ひげ
)
の中から
一睨
(
ひとにら
)
み睨むに違いはないんですもの、
難有
(
ありがた
)
くないわ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其處
(
そこ
)
へ、キラ/\する
金
(
きん
)
の
針
(
はり
)
を
持
(
も
)
つて、
一睨
(
ひとにら
)
み
睨
(
にら
)
まれました
時
(
とき
)
に、もう
氣
(
き
)
を
失
(
うしな
)
つたのでございます。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、いやらしく口を割って、黄色い歯で笑ったあとを
一睨
(
ひとにら
)
み睨んだ。目が光って
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
睨
漢検1級
部首:⽬
13画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥