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一燻
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ひとく
「どうだね、
一燻べあたつたらようがせう、
今直に
明くから」と
傭人がいつてくれてもお
品は
臀から
冷えるのを
我慢して
凝然と
辛棒して
居た。
懇意なそここゝでお
品は
落葉を
一燻べ
焚いて
貰つては
手を
翳して
漸と
暖まつた。
蒟蒻を
仕入れて
出た
時はそんなこんなで
暇をとつて
何時になく
遲かつた。
「そうら、
※が
處へでも
來て
見ろ」といひながら
忙しくぽつと
一燻べ
落葉を
燃して
衣物を
灸つて
與吉へ
着せた。