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一炬
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いっきょ
ふりがな文庫
“
一炬
(
いっきょ
)” の例文
否、そうしている中にあらゆるものを破壊したあの恐ろしい震災がやって来た。そして長い間の人間の努力を
一炬
(
いっきょ
)
の下に焼き尽してしまった。
日本橋附近
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
扶たちの野寺の陣は、やがて将門について押し
襲
(
よ
)
せた郎党と土民軍の攻勢に会って、
一炬
(
いっきょ
)
の炎にされてしまい、潰走する扶たちの部下も何十人となく討たれた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼等暴民共の
一炬
(
いっきょ
)
に附されるか、或いは
山寨
(
さんさい
)
の用に住み荒されることは火を見るように明らかである。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
蝶よ花よと育てた
愛女
(
まなむすめ
)
が、堕落書生の
餌
(
えば
)
になる。身代を
注
(
つ
)
ぎ込んだ出来の好い息子が、大学卒業間際に肺病で死んで了う。
蜀山
(
しょくさん
)
を
兀
(
は
)
がした阿房宮が
楚人
(
そびと
)
の
一炬
(
いっきょ
)
に灰になる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そうでなくとも、また暴虐な征服者の
一炬
(
いっきょ
)
によって灰にならなくとも、自然の誤りなき化学作用はいつかは確実に現在の書物のセリュローズをぼろぼろに分解してしまうであろう。
読書の今昔
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
黄金製の
幣帛
(
へいはく
)
、諸珍宝、什器、社殿と共にことごとく
咸陽
(
かんよう
)
の
一炬
(
いっきょ
)
に帰す。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
具足はつけているが
兜
(
かぶと
)
はいただいていない。鉢巻から逆立つ乱髪は
一炬
(
いっきょ
)
の
炎
(
ほのお
)
のように赤ッぽく見え、その大きな
双眸
(
そうぼう
)
の光と共に、いかにも
万夫不当
(
ばんぷふとう
)
のさむらいらしく見えた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうして極めて合法的に石山本願寺の
空
(
あ
)
け
渡
(
わた
)
しはすんだが、そのあとで、
一炬
(
いっきょ
)
、全山の
堂塔伽藍
(
どうとうがらん
)
と、多年の築城的
門塁
(
もんるい
)
は、三日三晩にわたって、炎々、大坂の空に歴史の
光煙
(
こうえん
)
を曳いて
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
男女を合わせて、侍童から
厩中間
(
うまやちゅうげん
)
の端まで加えれば、信長の
扈従
(
こじゅう
)
百余名はいたはずであるが、本能寺
全伽藍
(
ぜんがらん
)
、ただ見るぐわうぐわう燃える
一炬
(
いっきょ
)
となったときは、一箇の人影も、一声の
絶叫
(
ぜっきょう
)
もなかった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の身そのものが、すでに
一炬
(
いっきょ
)
の炎であった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
炬
漢検1級
部首:⽕
9画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥