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一游亭
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いちいうてい
ふりがな文庫
“
一游亭
(
いちいうてい
)” の例文
時雨
(
しぐれ
)
の庭を
塞
(
ふさ
)
いだ障子。時雨の寒さを避ける火鉢。わたしは
紫檀
(
したん
)
の机の前に、一本八銭の葉巻を
啣
(
くは
)
へながら、
一游亭
(
いちいうてい
)
の鶏の
画
(
ゑ
)
を眺めている。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大正十二年八月、僕は
一游亭
(
いちいうてい
)
と鎌倉へ
行
(
ゆ
)
き、
平野屋
(
ひらのや
)
別荘の客となつた。僕等の座敷の
軒先
(
のきさき
)
はずつと
藤棚
(
ふぢだな
)
になつてゐる。その又藤棚の葉の
間
(
あひだ
)
にはちらほら紫の花が見えた。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一游亭
(
いちいうてい
)
と鎌倉より帰る。
久米
(
くめ
)
、
田中
(
たなか
)
、
菅
(
すが
)
、
成瀬
(
なるせ
)
、
武川
(
むかは
)
など停車場へ見送りに
来
(
きた
)
る。一時ごろ
新橋
(
しんばし
)
着。直ちに一游亭とタクシイを
駆
(
か
)
り、
聖路加
(
せいろか
)
病院に入院中の
遠藤古原草
(
ゑんどうこげんさう
)
を見舞ふ。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこへ
勝峯晉風
(
かつみねしんぷう
)
氏をも知るやうになり、
七部集
(
しちぶしふ
)
なども
覗
(
のぞ
)
きたれば、
愈
(
いよいよ
)
鵺
(
ぬえ
)
の如しと言はざるべからず。
今日
(
こんにち
)
は唯
一游亭
(
いちいうてい
)
、
魚眠洞等
(
ぎよみんどうら
)
と
閑
(
ひま
)
に俳諧を愛するのみ。俳壇のことなどはとんと知らず。
わが俳諧修業
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
東京に帰りし
後
(
のち
)
は
小沢碧童
(
をざはへきどう
)
氏の
鉗鎚
(
けんつゐ
)
を受くること
一方
(
ひとかた
)
ならず。その他
一游亭
(
いちいうてい
)
、
折柴
(
せつさい
)
、
古原艸等
(
こげんさうら
)
にも恩を受け、おかげさまにて幾分か
明
(
めい
)
を加へたる心地なり、
尤
(
もつと
)
も新傾向の句は二三句しか作らず。
わが俳諧修業
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
游
漢検1級
部首:⽔
12画
亭
常用漢字
中学
部首:⼇
9画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥