“枢”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
くるる52.2%
とぼそ26.1%
ひつぎ8.7%
くるま4.3%
くろゝ4.3%
トボソ4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と言って米友は立ち上って、土間へ下り、関守氏が入って来たところの出入口をぴったりと締めきって、くるるをカタリとおろしてしまい
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さすがに、彼女がここの雑仕女から玉のとぼそへ入って、六条の義朝に愛されていた盛りには、ねたみそねみの陰口に暮していた院の朋輩ほうばいたちも
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
間もなくひつぎという四方ばりまないたせて焼かれてしまった。斎木の御新造は、人魚になった、あの暴風雨あらしは、北海の浜から、うしおが迎いに来たのだと言った——
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
コールタで塗った門の扉がたしかにあるので、そっと手をかけてみると扉のくるまはすぐ落ちた。そこはその傍の問屋といや荷揚場にあげばらしい処で、左側に山口家の船板塀ふないたべいがあり、右側に隣の家の煉瓦塀れんがべいがあった。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
戸のくろゝに塗る時は音がせずにひらく、盗みに忍びるには妙である至極い物であると申したそうだ、同じ水飴でも見る人によってはう違う
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
トボソがまるで、おしちぎられでもするかと思ふほど、音に力のこもつて来た時、ちようど、鶏が鳴いた。其きりぴつたり、戸にあたる者もなくなつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)