“まくらもと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
枕頭37.8%
枕許37.2%
枕元19.2%
枕辺2.5%
枕下1.9%
枕邊0.9%
頭元0.3%
頭面0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜具は申すまでもなく、絹布けんぷの上、枕頭まくらもと火桶ひおけ湯沸ゆわかしを掛けて、茶盆をそれへ、煙草盆に火を生ける、手当が行届くのでありまする。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そつと頭を動かして妻を見ると、次の子供の枕許まくらもとにしよんぼりとあちら向きになつて、頭の毛を乱してうつ向いたまゝ坐つてゐた。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
と云いながら布団を頭からかぶっていたが、だんだん暴れ方が激しくなるので、しまいに首をむっくりもたげて枕元まくらもとの電燈の鎖を引いた。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ふと目が覚めると、消すのを忘れて眠つた枕辺まくらもとの手ランプの影に、何処から入つて来たか、蟋蟀こほろぎが二ひき、可憐な羽を顫はして啼いてゐる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
警察の人達が参ってから、最初は、兇器のピストルが問題になりましたけれど、そのピストルは、良人のベッドの枕下まくらもとにある小机の抽斗ひきだしへ、いつも入れて置いたものでございます。
偽悪病患者 (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
良因 夜になるときり/″\すが枕邊まくらもとでも鳴いてをります。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
爾して余は婆や犬やに対するには却って権柄を示すが宜いと思い、殆ど主人風を吹かせて甚蔵の頭元まくらもとへ座を占めたが、甚蔵は家に帰り着いた安心の為好く眠り込んだ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
をんなは命辛々からがら迯了にげおほせけれども、目覚むるとひとし頭面まくらもとは一面の火なるに仰天し、二声三声奥を呼捨よびすてにして走りでければ、あるじたちは如何いかになりけん、知らずと言ふ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)